⚊ 5th:陽:95
⚋ 4th:陰:64
⚊ 3rd:陽:93
⚋ 2nd:陰:62
⚊ 1st:陽:初9(First9)
※上9(Upper9)、95、64、93、62、初9(First9)は、易経における伝統的な各爻(こう=Line)の表記法である。ここでは漢数字(Chinese numeral)ではなく、アラビア数字にしている。
構成の解説
上卦(Upper trigram)
「☴ 巽(そん:Xun)」="Ground":風・木・中に入り込む動き
下卦(Lower trigram)
「☲ 離(り:Li)」="Radiance":太陽・火・文明・付着する
下に火が燃えていて、そこから上昇気流が立ち上る。
62が妻、下卦(Lower trigram)の中心にいる。
上卦(Upper trigram)の中心の95が夫。
妻が家庭をしっかり維持すれば、夫が外でいい仕事ができる。
家庭における秩序や道徳に関して述べている卦(Hexagram)。
妻=女房役、主役ではないが組織を維持するのに重要な役目を担う縁の下の力持ち。
なにごとでもまずは内側(家庭に象徴される)がしっかりしていて初めて外に対しても立ち回れるのであり、地味な下準備や日常の家事などが実は重要な意味を持っているということ。
家庭の道、家庭道徳についてイメージがいろいろ出てくるが、事業や組織においてもこれは当てはまり、内部のスタッフがそれぞれの役割を果たし、内部基盤を固めることの大切さを説く卦である。
卦辞(かじ=Explanation of the Hexagram)
「女が正しくふるまって地道な家事運営をおこなっていくならば家庭そのものが全体として良くなっていく。」
<䷤ 家人(かじん="Dwelling People")>のイメージは、妻(62)が家庭をしっかり維持すれば、夫(95)が外でいい仕事ができるというもの。
62と95は、それぞれ下と上の中心にいます。
彼らは両方とも中庸の徳があります。
62は「陰」、「陰」が入るべき二番目の位置にいます。
95は「陽」、「陽」が入るべき五番目の位置にいます。
この夫婦は、対応関係も「陰」と「陽」なので和合します。
これは妻が家庭をしっかり固め、夫が外で仕事をするイメージです。
「妻がしっかりその役目を果たせば家庭はうまくいく」と易経は言います。
「妻」とは会社組織に当てはめれば、総務とか人事とか経理とか、組織の維持をする部署に該当します。
「夫」とは会社組織に当てはめれば、営業など外での活動に従事する部署になるでしょう。
外で営業して収益をあげるにしても、まずは組織内部がしっかり維持されていなければなりません。
組織ではあらゆる部署が機能的に連動しなければなりません。
家庭を例にとるならば、父、母、長男、次男、長女、次女それぞれに役割があります。
組織もそれと同じです。
そうした組織の維持は、「妻」が行うのです。
まずは「妻」にあたる人が組織内部の運営をしっかりやるとよいでしょう。
◇ひと言アドバイス(象)
言動が誠実か、秩序ある行動をしているかを常に反省しなさい
火が燃えると、そこから上昇気流が起こるように、物事は内側から外側に起こります。
家庭では妻がまず大事と易経は説くわけですが、個人の在り方としては自分の内面が大事です。
家庭や組織のことを考えていく前に、まずはあなた自身が言動において誠実であるか、秩序ある行動をしているかを常に反省しましょう。
自分を制御できなければ、他者も制御はできません。
爻辞(こうじ=Explanation of the Lines)
⚊ 5th:陽:95
⚋ 4th:陰:64
⚊ 3rd:陽:93
⚋ 2nd:陰:62
⚊ 1st:陽:初9(First9)
※上9(Upper9)、95、64、93、62、初9(First9)は、易経における伝統的な各爻(こう=Line)の表記法である。ここでは漢数字(Chinese numeral)ではなく、アラビア数字にしている。
◇1st 陽 初9(First9)
「家に居る人が望ましくないことの発生を未然に防止するならば、家庭は後悔するようなことにはならない。」
(※一番目の位置は、「陽(Yang)」が入るべき場所。)
初9(First9)は始まりの位置にいます。
彼は「陽」で、積極的に物事を行っていく性質です。
家にいるものが、トラブルの可能性に最初の段階で気づき、未然に防ぐならば、家庭では大きな問題は発生しません。
初9(First9)はいつも家にいる子供です。
彼は子供ですが、自分の正しい役割をちゃんと理解しています。
普段から組織の構成員がそれぞれの役割をきちんと理解していることが大切なのです。
◇2nd 陰 62
「彼女は立場上、物事を実行する役目はない。家庭で神にささげる供物を作る役目に従事するならば、彼女は正しく、吉である。」
(※二番目の位置は、「陰(Yin)」が入るべき場所。「中庸」を意味する場所。)
62はこの卦(Hexagram)の主役、家庭の主婦です。
彼女は「陰」です。サポート役です。
彼女は二番目の「陰」が入るべき場所にいますから、正しい生き方をしていて、家庭をしっかり運営する主婦です。
しかし、あくまで彼女はサポート役、物事を実行するのは夫、95の役目です。
62はなにも成果を達成することはありません。
しかし、彼女は脇役として重要な仕事をしています。
主役でなくても、主婦が家庭を維持する役目をしっかり果たせば、家庭は円満になります。
これは会社組織においても同様です。
◇3rd 陽 93
「彼女は主婦の姉で、厳しく家庭をまとめる。家族は彼女に厳しくしつけられて悲鳴を上げるが、いい結果になる。彼女が手ぬるくて家族がはしゃいでいるようだと、その家族は恥かしい。」
(※三番目の位置は、「陽(Yang)」が入るべき場所。)
93は家庭をまとめる人、主婦の姉です。
彼女は「陽」で、下卦(Lower trigram)の一番上にいます。
この場所は三番目の位置で「陽」が入るべき場所、彼女は積極的な性格で家庭をまとめる役目にあります。
重要な立場です。
家の人たちを厳しくしつけながら家庭を運営します。
この家の家族たちは毎日93に叱られるので、みんなおびえています。
ですが、93は、その役目を正しく果たしています。
彼女がみんなを叱るから、家庭内で秩序ができて物事がよく回るのです。
状況は吉です。
93が手ぬるくて、家族がみなだらだらとして、おしゃべりしているようであれば、そのほうが問題も起こりますし恥ずべきことです。
会社組織でも引き締め役がいれば、組織内に緊張は起こりますが、いい結果をもたらすものです。
◇4th 陰 64
「彼は、家を富ます。大いによろしい。」
(※四番目の位置は、「陰(Yin)」が入るべき場所。)
64は「陰」で、上卦(Upper trigram)の最下位にいますが、彼がいる場所は「陰」が入る場所、性質と立場がマッチしています。
ここでは下卦(Lower trigram)は家庭内を意味し、上卦(Upper trigram)は家庭の外を意味します。
64は、おとなしく家庭の外で働く人。
外で稼いで家庭に収入をもたらしています。
地味ですが、彼の働きは家庭には大きく貢献しています。
なので結果は大吉となります。
あなたは役割は地味ですが、いい働きをしているので大吉です。
◇5th 陽 95
「王が家庭をもつことになる。プライベートでなにも心配がなくなるから、吉。」
(※五番目の位置は、「陽(Yang)」が入るべき場所。「中庸」を意味し、君主を意味する場所。)
95は「陽」で、「陽」が入るべき五番目の君主の座にいます。
王としては彼は中庸で聡明な君主です。
95は62と結婚ました。
彼は仕事の多い人ですので、彼が結婚して家庭を持つことはプライベートでの心配がなくなり、今以上にいい仕事ができるでしょう。
あなたが結婚を占ってこの爻(Line)が出たときは、いい結婚になります。
会社組織では信頼出来る事務スタッフを迎えることになった場合などがこの状況に該当します。
◇6th 陽 上9(Upper9)
「あなたに誠意と威厳があるならば、初めは運が悪くても最終的に大吉。」
(※六番目の位置は、「陰(Yin)」が入るべき場所。属性がない場所。)
上9(Upper9)は家長で、この卦(Hexagram)の最上位にいます。
彼はこの家庭の責任者です。
彼が家庭を正しく運営するためには、誠意があることがまず第一条件ですが、それに加え時には厳しい態度が必要です。
あなたが家庭の責任者である場合、誠意や威厳を示すには、普段から反省するのが大切です。
言動が一致していないようだと、みなに軽んじられてしまいます。
家庭の責任者がそのようにできるならば、家庭は非常にめでたい状況となるでしょう。
これは、会社組織の責任者に求められることでもあります。
高い立場にいる人は、自分にまずは厳しくなりましょう。
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