さて、ここまで、
と、占い方の手順を解説してきました。 さて、今回は、「読解カンタン解説!」ということで、前回まで占いで出した表象、「卦(Hexagram)」を、読み解いていくにあたっての要点を見ていこうと思います。
易経はメカニカルな構造をしています。そこにある原則を知っておくと、易経テキストの持つ意味をより深く理解することができます。 |
易経には、構造上の決まりがある
今回、私が作成した大意解説においては、極力、現代の感覚で、歴史的な知識とかがなくても、難しい単語の知識がなくても、易経が示す状況判断がわかるように書きました。
易経記号「爻(Lines)」を積み重ねて示される「卦(Hexagram)」という象徴は、爻(Line)の位置、対応の関係など、約束事、原則がいくつかあります。
それらを根拠に易経テキストは書かれていることが多いです。
これらの原則は、事前に少しだけ理解した上で、私の書いた解説を読んでもらったほうが良いと思います。
今回の内容は、とりあえずは目を通していただいて、その後は実際に占いで出たものの解説を読みながら、そのつどこのページに戻って辞書的に使ってくだされば、それでいいと思っています。
易経のこれらの原則は、最初から覚える必要はありません。
あなたが実際に何度か占ってるうちに、その基本用語や考え方はわかってきます。
「覚えなければならない!」と緊張する必要はまったくありません。
それでは、易経を読むため要点をいくつか見てみましょう!
「卦(Hexagrams)」の基本成分、「上卦(Upper trigram)」と「下卦(Lower trigram)」=八卦(Eight trigrams)
前回、我々は、まず硬貨三枚を6回落として出した爻(Lines)を出していきました。 そして爻(Lines)を下から積み重ねて、私たちは易経の表象である「卦(Hexagram)」を出しました。 このとき、「上卦(Upper trigram)」と「下卦(Lower trigram)」を照らし合わせて、64卦(64Hexagrams)照合ページから、卦(Hexagram)を特定しました。 「上卦(Upper trigram)」と「下卦(Lower trigram)」で示される、三つの爻(Lines)の組み合わせを、小成卦(Trigram)といいます。 小成卦(Trigram)には八つの種類があって、それぞれが意味を持っています。 これら八つの小成卦(Trigram)を、八卦(Eight trigrams)といいます。 これらはそれぞれが、世界の基本性質を含んでいると易経では考えています。 上=外側を意味し、「上卦(Upper trigram)」は、「外卦(Outside trigram)」ともいいます。 下=内側を意味し、「下卦(Lower trigram)」は、「内卦(Inside trigram)」ともいいます。 八卦(Eight trigrams)の種類ごとに上下の組み合わせで、8×8=64通りの組み合わせができます。 なので、易経が展開する表象イメージは、64卦(Hexagrams)となるのです。 これらの64通りの組み合わせが、複雑な易経の世界を作ります。 64卦(Hexagrams)は、それぞれの表象がなぜその意味になるか、この八つの要素の関係から説明されることも多いです。 以下、八卦(Eight trigrams)の基本性質をまとめると、次のようになります。
八卦(Eight trigrams)の基本的な意味
☰乾(けん)
☱兌(だ)
☲離(り)
☳震(しん)
☴巽(そん)
☵坎(かん)
☶艮(ごん)
☷坤(こん)
爻(Lines)は、それぞれが位置によって社会的な立場を持つ
六つの爻(Lines)は、場所によって、それぞれが社会的な立場を表しています。
爻(Lines)の位置と社会的な立場を簡単に表すと、次のようになります。
6th 相談役・世捨て人・部外者
5th 王・社長・代表
4th 執行役員・役員
3rd 部長・課長
2nd 宰相・軍司令官・家臣団の長
1st 新人・若者・子供
爻(Lines)の解説は、これらの社会的立場から物語のように書かれているものも多く見られます。
「めでたい」原則
易経では、めでたい判断が出るための原則がいくつかあります。
まとめると、以下の三つです。
めでたい原則:その1 位置と性質
六つの爻(Lines)は、奇数位置の爻(Line)は「陽」が入っていれば「正しい」とされます。
また、偶数位置の爻(Line)は、「陰」が入っていれば「正しい」とされます。
以下のようになります。
6th 陰(Yin)が入るべき場所
5th 陽(Yang)が入るべき場所
4th 陰(Yin)が入るべき場所
3rd 陽(Yang)が入るべき場所
2nd 陰(Yin)が入るべき場所
1st 陽(Yang)が入るべき場所
この原則に反している場合、原則的には「立場と性質が不適合」という意味になり、占いの判断はよくないものが多く見られます。
しかし、「立場と性質が不適合」であっても、めでたいケースもあります。
めでたい原則:その2 対応関係
卦(Hexagram)の中では、対応する位置関係があります。
一番目と四番目の位置
二番目と五番目の位置
三番目と六番目の位置
これらは、対応関係にあります。
ただし、「陰」と「陽」の組み合わせでなければ対応関係が発生しません。
「陰」と「陽」の組み合わせだと調和し、「恵みの雨が降る」と易経では表現します。
「陰」と「陰」
「陽」と「陽」
の組み合わせは、対立が起こり、不吉な判断が出る場合が多いです。
これらの位置から生じる対応関係は、易経占いでは重要な判断基準です。
めでたい原則:その3 中庸を示す位置(二番目の位置、五番目の位置)
二番目の位置、五番目の位置は、それぞれが「上卦(Upper trigram)」と「下卦(Lower trigram)」の中心です。
この位置は、「中庸の美徳」があることを意味します。
五番目の位置は君主の入る位置で、「陽(Yang)」が入るとめでたい。
二番目の位置は家臣の位置で、「陰(Yin)」が入るとめでたいです。
ですがこの二つの位置は、五番目の位置が「陰」、二番目の位置が「陽」であってもめでたい判断が出ます。
五番目が「陽」、二番目が「陰」の場合は、聡明な王と従順な宰相の組み合わせです。
五番目が「陰」、二番目が「陽」の場合は、調整型の王と実力ある宰相または将軍の組み合わせです。
ただし、「陰」と「陰」の組み合わせや、「陽」と「陽」の組み合わせの場合は、首脳陣の対立を意味するのでいい判断はあまり出ません。
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